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溢れた思いを語れる場所

 子どもが登校拒否を起こし不登校になったとき、この問題を私の周りにいる友人に話をしても、慰めや気を紛らせるといった一時しのぎの時間しか過ごせなかった。それでも充分私を思ってくださってのことなのに、心のどこかに “あなたのお子さんは、進学校も受験できる優等生で、私の気持ちを本当にわかってはくれない” というわだかまりがあった。本当に、失礼なことを思ってしまった。

 中学校で呼びかけたいじめと不登校を考える親の会の仲間達とは、地域で親の悩みを聴く先輩達のサークルに場所を移し、定期的に集まっている。中学校には、このサークルの座談会日程のお知らせとともに、保護者にお手紙を発信している。問題を持ち、悩む親がその思いを語りたいと感じたときに語り、他人の語っている問題に耳を傾け “私もそうだったのよ ”、とうなずき語りだす。そういう場所作りをみんなで支えあっている。

 今も単身赴任中の夫だが、父親としても転機があった。赴任先の同僚が落ち込んでいる様子を見て声をかけたところ、子どもが登校拒否を起こして悩んでいると言う。実は、自分の息子も不登校で学校に行けないんだと打ち明け、語り合うようになってから “ 自分達だけの問題 ” という孤独感から解放されたようだ。父親としては、母親とは違う受け止めの覚悟があるようで、“ 生活を支え続ける ” という安心の提供もしていかなければならない。一緒になって家族で問題にどっぷりと浸かり、体を壊すわけにはいかない。子どもが荒れて手が付けられない、それでも家庭を支えるという夫とともに、どうしたらいいのかと悩む家族もあるだろう。

 他人に語ることで何が解決するんだと思う人がいるかもしれないけど、問題に気づかされるときが必ずあると思うのです。すぐ、「あっ!」と声をあげて気づく人もいるし、何度来ても振り出しに行ったり来たりする人もいる。安心の場で、自分を受け止めてもらえたことで吐く弱音の中に問題が隠れていたりすることもある。

 

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