世界遺産への落書き
(
) 追加文あります。
岐阜市立女子短大の学生たちによる落書きに続き、イタリア・フィレンツェの世界遺産地区の大聖堂にも京都産業大学の男子学生が落書きをしていたことがわかった。
大学は、傍観していた他の学生2人も含めて2週間の停学処分を決めた。また、落書きを消しに行くことも検討しているという。
文化財への落書きは、名古屋城の天守閣に奈良の法隆寺、鳥取砂丘(景観上、砂に描いた名前も落書きになる)、今年は五輪の聖火リレーでもめた善光寺と日本全国に及ぶ。
そして今回の世界遺産への報道で、すっかり落書きという軽く見られがちの迷惑行為に火がついた。
昨年、「AAA(トリプルエー)」というエイベックスの人気グループがアメリカのメリーランド州の記念公園にある岩にスプレーで落書きしたことをメンバーのひとりがブログに載せたことで、大量の苦情が寄せられたことがあった。
ところが、彼らのグループを支持する10代の中高生たちは「勝手じゃん!」「みんなやってるから、いいじゃん!」という擁護にまわったのだ。
今回もそうだが、旅の記念に残すためにわざわざスプレーを購入し用意をして文化財のある場所に訪れるという人は若者に多いように思える。硬い石で傷をつけていくという年配者の行為もワイドショーの隠し撮りを見ていると多いように思う。
それにしても、AAAのブログに寄せられた反省を求める声の多くとは別に、支持をする若者たちがいるということに気持ちが重くなる。
落書きの語源は、「落書(らくしょ)」と呼ばれ、平安時代の権力者に対する批判や風刺を述べた匿名の文書が相手先の家の壁や塀に貼り付けられたところに由来するという。
少々、軽い行為のように見られる「落書き」にも歴史があるわけだが・・・
落書きという迷惑行為は、れっきとした器物破損罪(懲役3年以下、罰金30万円)という犯罪なのだが、「窃盗→万引き」、「占有離脱物横領罪→放置自転車の乗り捨て」のように軽いノリで人の気持ちを不愉快にさせる行為が軽く扱われている。
「公共物に書くことで仲間に度胸を見せる」という元暴走族。ところが、こういった行動に出るのは規模や内容にこそ違いはあっても、フツーの子どもたちの遊びの中にも見られる。
公園や公共物、個人の家や塀に放置されたままの落書きから生まれるのは、環境のさらなる悪化に留まらず、街の住民のモラルの低下を招くことになる。
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